HARIPICO-JOURNAL

「鍼灸師 貧乏」で検索したあなたへ。その不安が現実になる日の話をしよう。

「鍼灸師は貧乏」と決めつけるのはまだ早い。40年現役が真実を語ります。

「鍼灸師は貧乏だ」 「鍼灸師では食べていけない」 「でも、まだ若いから大丈夫。仲間もいるし、何とかなる」

今、深夜のベッドの中でスマホを眺めているあなたは、心のどこかでそう思っていないでしょうか。

国家試験会場の出口で、爽やかなスタッフに声をかけられ、キラキラしたパンフレットをもらった。「うちに来れば楽しいよ」「一緒に夢を叶えよう」。 ホームページを見れば、同世代のスタッフが笑顔で働いていて、まるで終わらない学園祭のよう。素敵な出会いもあるかもしれない。

そのワクワクする気持ち、とてもよく分かります。 若いうちは、その「楽しさ」が全てに見えるものです。

ですが、あなたが今、わざわざ「鍼灸師 貧乏」「食べていけない」と検索しているということは、心の奥底で気づいているはずです。「この楽しさは、いつか終わるのではないか?」と。

40年この道を歩いてきた先輩として、一つだけ、あなたが予感しているその不安の「正体」を伝えなければなりません。

「若いから貧乏」なのではありません。 あなたが今選ぼうとしているその道こそが、その不安を「一生続く現実」に変えてしまう入り口なのです。

これは説教ではありません。 ふと立ち止まった時に、あなたが道に迷わないための、小さな「地図」だと思って読んでみてください。

第一章:あなたが選ぼうとしているのは、「グランメゾン」か? それとも「ファミレス」か?

少し、料理人の世界を想像してみてください。 そこには、「グランメゾン(高級フレンチ)」と「ファミレス」があります。

フレンチのシェフは、厳しい厨房で「本物の味」と「おもてなし」を身につけ、やがて独立して自分の店を持ちます。そこには、その人にしか出せない価値があり、お客様はそれに高い対価を支払います。 一方、ファミレスのキッチンは、マニュアル通りに冷凍食品を温める仕事です。誰でも、今日からできる仕事です。

今、あなたが心を惹かれているその場所は、どちらに近いでしょうか?

多くのスタッフが楽しそうに働いているその場所。 そこで求められるのは、鍼灸師としての高度な技術でしょうか? それとも、マニュアル化されたマッサージと、回数券を売るためのトークでしょうか?

もし、そこが「ファミレス」のような場所だとしたら。 数年後、あなたがそこを卒業する時、あなたの手には「本物の技術(シェフの腕)」は残っているでしょうか?

「楽しかった思い出」だけで、これからの長い人生を、プロとして生きていくことはできません。 ファミレスで修行をしても、自分の店を持つ料理人にはなれないのと同じように。

第二章:特に女性へ。「誰か」に人生を預けないために

結婚後の生活と経済的な自立に不安を感じる女性鍼灸師

「でも、素敵な人と結婚できれば、仕事はそこそこでいい」 もしかしたら、そんな風に思うこともあるかもしれません。

ですが、人生は長いです。 いくらパートナーを愛していても、尽くしていても、自分自身に「稼ぐ力」がなければ、結局は「パートナーの所得を分けてもらう」という立場になります。

服を買うのも、美容院に行くのも、年老いた自分の親に仕送りをするのも、すべて「許可」が必要になる人生。 あなたは、それで本当に満足できるでしょうか?

対等に、お互いを尊重し合って生きていくためには、あなた自身が「プロとしてのキャリア」を持っていなければなりません。

そのための最強の武器こそが、「鍼灸師としての本物の技術」です。 誰にも奪われない、一生ものの技術さえあれば、あなたはどんな状況でも、自分の足で立ち続け、大切な人を支えることさえできるのです。

第三章:統計の罠。「整骨院」の崩壊と、「鍼灸院」急増のカラクリ

ここで、少し冷静になって、厚生労働省が出している最新のデータを見てみましょう。 かつてあれほど街中に溢れかえっていた「整骨院」の増加が、ピタリと止まっています。その一方で、「鍼灸院」の数だけが急激に増えています。

「鍼灸の時代が来た!」 もし君がそう思ったなら、それは大きな間違いです。 これは、業界全体が陥っている**「巨大な地殻変動」と「逃避」の結果**に過ぎないからです。

1. 「クーポン」を失ったファミレスの末路

かつて、整骨院はファミレスのチェーン展開のように、爆発的に数を増やしました。 なぜなら、「数(来院数)」さえ稼げば儲かるビジネスモデルだったからです。

その集客の源泉は何だったか? それは、「療養費(保険)」という名の、国が発行する「魔法の割引クーポン」でした。 本来は使えないはずの慢性的な肩こりや腰痛にも、拡大解釈で保険を使い、「数百円でマッサージが受けられる」というクーポンをばら撒くことで、彼らは行列を作っていたのです。

しかし、国による「適正化」という名の指導が入りました。 これは当然のことですが、彼らにとっては「魔法のクーポン」の没収を意味しました。

想像してみてください。 クーポンがあるから通っていたファミレスが、ある日突然「今日からクーポンは使えません。正規料金(自費)をいただきます」と言い出したらどうなるか。 味(技術)が変わらないのに、値段だけが上がる。お客様は一瞬で消え去ります。

これが今、整骨院業界で起きている「廃業ラッシュ」の正体です。

2. 行き場を失った鍼灸師たちの「避難所」

では、なぜ鍼灸院が増えているのか。 それは、廃業した整骨院から放り出されたり、就職先を失ったりした鍼灸師たちが、「生き残るために、仕方なく開業している」からです。

整骨院のような大規模な設備投資ができない彼らが選んだのは、自宅の一室やマンションの一室で、ベッド一台あれば始められる「低コスト開業」でした。 つまり、この数字の増加は、成功者の数ではありません。 「行き場を失った鍼灸師たちの避難所」の数なのです。

3. 君は、「ゆでガエル」になっていないか?

私が最も恐れているのは、この崩壊の渦中にいながら、まだ「夢」や「希望」を語っている若者が多いことです。

君の働く治療院、あるいは君が目指そうとしているその場所は、今、どうなっているでしょうか。 「うちはまだ大丈夫」「自費メニューを導入したから平気だ」 そんな声が聞こえてくるかもしれません。

ですが、それは水から徐々に温められている「カエル」と同じ状態です。 クーポンのないファミレスで、マニュアル通りの味しか出せない料理人が、どうやって生き残るというのでしょうか。

水温は確実に上がっています。 「熱湯」になってから飛び出そうとしても、その時にはもう、君の体(キャリア)は茹で上がり、動けなくなっているのです。

第四章:「豊かな鍼灸師」は、みな「牧師」のような顔をしている

鍼灸師が学ぶべき「牧師さん」の姿

では、どうすればその「本物の技術」を身につけられるのでしょうか。 私が40年かけてたどり着いた答え。それは、意外なことに「牧師さん」のような心の在り方にありました。

ガツガツと売り込んだり、安売りで媚びたりする必要はありません。 豊かな鍼灸師が大切にしているのは、こんな手順です。

  • 1.【傾聴】 まず、患者さんの心の声を、ただひたすらに聴く。
  • 2.【励まし】 その苦しみに深く共感し、「大丈夫ですよ」と未来への希望を語る。
  • 3.【治療】 信頼関係ができた状態で、プロとしての本物の技術を提供する。
  • 4.【確認】 最後に、提供した価値への「感謝の対価」として、治療費をいただく。

「技術」や「稼ぐ方法」ばかりを追い求める若者は多いですが、順番が逆なのです。 人の心に寄り添うマインドがなければ、どんな技術も、どんなセールスも、決して患者さんの心には届きません。

このスタイルが身につけば、お金の話は「セールス」ではなく、「感謝の儀式」へと変わります。 だから彼らは、売り込まなくても、驚くほど豊かなのです。

[▷ 当院の実際の治療実績や、患者様の声はこちら(本院サイトへ)]

結論:あなたは、いつ「目覚める」のか

鍼灸師でも、お金持ちはいます。 貧乏になってしまうのは、時代のせいでも、この仕事のせいでもありません。 あなたが、無意識のうちに「貧乏になる考え方(ファミレス思考)」を選び、心地よい「学園祭」の中に逃げ込んでいるからです。

もし、あなたがこのスマホを置いて、ふと「今のままではマズいかもしれない」「あの不安は、本当かもしれない」と感じたなら。 それは、あなたが「本物の治療家」として目覚めるための、最初の合図です。

まずは、自分の「考え方」を変えること。 そして、もし可能なら、最初からこの「本物のスタイル(グランメゾンの仕事)」が当たり前のこととして実践されている環境に、身を置くことです。

私たちは、長年の経験からたどり着いたこの「豊かな鍼灸師の考え方」を、後世に伝えたいと考えています。 それは、単なる技術継承ではありません。 鍼灸師という職業が、医師と並び称されるような「高い社会的地位」と「豊かさ」を得られる未来を、共に創っていくための挑戦です。

まだ何色にも染まっていない、純粋な志を持つあなたとなら、その未来を創れると信じています。 もし、一生貧乏なままで終わりたくないのなら。

私たちと共に、鍼灸師の新しい常識をつくりませんか。

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